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家電リサイクルの世界

顕微鏡で見るとよくわかるが、ガーゼでも不織布でも、別ミクロン大の花粉はけっこう捕集できるのである。
ただ花粉は、あのイガイガの形をしたスギ花粉がそのまま飛んでくればいいが、たとえばアスファルトなんかの路上に落下し、トラックなどに踏みつけられて小さく粉砕したら、ガーゼで捕集できるだろうかと、ぼくは不安になってくる。 花粉は土の上に落ちたら、土の粒子にとらえられ、やがて分解されていく。
ところが、コンクリートのようなものの上では、いつまでも分解されず、風が吹くたびに舞い上がるのだ。 そして、タイヤなどに踏みつけられると、いま社会問題になっているディーゼル微粒子と同じ3ミクロン以下に砕けるそうだ。
それにガーゼマスクは、当てガーゼの糸がほつれて鼻がむずむずするという欠点がある。 その点、不織布はいい。
ぼくの場合、朝、出かけるときにマスクをつけ、帰ってきたらそのマスクは捨てる。 花粉がいっぱいついたマスクは、室内に持ち込まないというのがわが家の原則なのだ。
室内に入るときは新しいマスクにつけ替える。 寝るときはもちろん、そのマスクをつけたまま寝る。
息苦しくないのかと思われるだろうが、実は息苦しい。 そこで鼻孔拡張テープで呼吸を楽にする。
もっとも、鼻が詰まってしまったら、口で呼吸をするしかないから、マスクをつけてもつけなくても変わらない。 というわけで、花粉の季節になると、ぼくは24時間、マスクをつけていることになる。

一日に2枚から3枚のマスクを使うから、花粉の季節とその前後も含めて、およそ3百枚程度を使う。 ガーゼマスクは1枚150円ほどだったから、以前はマスク代だけで4万5000円も使っていた。
不織布マスクが登場したときも同じくらいの値段だったが、しばらくして卵枚パックなどが売られるようになって急激に単価が下がった。 いまでは1枚あたり20円から100円ぐらいだろう。
良いマスクの条件これを四6時中装着しているのだが、しばらくして、いいマスクの条件が2つあることに気がついた。 それは、ノーズピース(当て用金具)がやわらかく、自由に形状が変えられること。
もうひとつは耳ヒモだ。 きついヒモのマスクをつけていると、耳の後ろが痛くなり、やがて皮層が硬くなって腫れあがってしまう。
皮層を鍛えればいいと言われても、耳の後ろじゃ鍛えようがないだろう。 慣れるかと思ったが、これだけは慣れなかった。
それなら長時間かけても耳が痛くならず、なおかつ顔にジャストフィットするマスクを選ぶしかない。 いろいろ試してみた結果、一番いいのは平ヒモだった。
手術などのときに、医師が頭の後ろなどに結んでいるあのマスクだ。 このマスクは、結ぶ強さを自分で調整できるから、理想のマスクといっていい。

ただし面倒だ。 それにマスクをつけての外出は無理。
手術台の前に立った医師がそのまま街に飛び出すような格好だから、相当の視線を覚悟しなければならないだろう。 というわけで、形は平ヒモで、弾力があり、それでいてしっかりサポートする耳ヒモがついたマスクを、あれやこれやと探し続けた結果、この数になったというわけである。
おそらく買ったマスクは別種をこえるだろうが、そのなかでぼくがもっとも気に入っているのはSの「N」というマスクだ。 説明書にはBFE17%、PFE17%と書かれている。
BFEというのはバクテリア捕集効率のことで、直径4.0〜5.0ミクロンの粒子をどれくらい捕集できるかということで、これは17%捕集できるという意味だ。 PFEというのは微粒子ろ過効率のことで、0.1ミクロンの粒子の捕集率だから、このマスクは17%捕集できる。
花粉は別ミクロンだから、通常のマスクでも充分なのに、どうしてこんなサージヵルマスクを選んだかといえば、先にも述べたように、トラックにでも踏まれて粉砕した花粉の破片も捕集するにはこうしたマスクのほうが確実だからだ。 ところが、この「ネクスケア」は高い。
一枚あたり150円ほどする。 ぼくの場合、これを花粉の季節に使えば、マスク代だけで4万5千円にもなってしまう。
これは痛い。 ということで、PFE2%以上をクリアしたマスクにこだわらず、せめてBFE2〜4%以上のマスクを、と探し回ったわけである。
最近はサージカルマスクも薬局で売られるようになったが、数年前は医薬品専門の問屋でしか買えず、インターネットを使って100枚単位で購入し続けた。 というわけで、毎年何種類ものマスクが大量に送られてくることになり、使いきれなかったマスクがわが家だ。
S製の「Nマスク」というのもある。 これは0.075ミクロンの粒子を17・9%捕集するという、まあ、バイオハザード(ウイルスなどが環境中に漏れることで発生する災害)なんかにでも使われるすぐれものである。

SARSウイルスや鳥インフルエンザウイルスは0.1ミクロンだから、中国でSARS騒動があったときは注文が殺到したといわれるマスクだ。 車などに蝶かれて粉砕された花粉は、小さいもので0.1ミクロン程度だから、これなら完壁に捕集できる。
つまり、このマスクをつけたら、内側はクリーンルームになるはずに滞留することになったのだ。 ちなみに、2007年まではもっぱら「Fサージカルマスク」と「ディスポーザブルマスク」を使っていた。
「Fサージカルマスク」など、1枚あたり50円程度である。 さっそく揃えてみたのだが、正直いって息苦しく、一時間もつけられたらいいほうだった。
それに装着した格好がものものしく、一度はこのマスクをつけて電車に乗ってみたが、ぼくが乗ると、そばにいた乗客は気味悪そうに逃げていった。 そして2、3メートル離れたところから、目を合わせないようにしてジロジロと見ている。
胡散臭そうにぼくを見るヤシのそばに行って、咳でもしてやろうかと思ったりもしたが、さすがにこの衝動だけはDのようなサージカルマスクもあった。 病院ではよく使われるマスクなのだが、これも「N開マスク」と同じで、外を歩くと、目の前の人たちは奇妙な生物があらわれたような表情に変わる。
そして下を向いたまま、吹き出しそうにしているのだ。 ぼくは恥ずかしくなり、すぐ外したかったが、とりあえず人気のないところまで歩き、そして捨てた。

ぼくが勝手にDのマスクと呼んでいるそれは、不格好でもBFEが100%というすぐれものだ。 50枚入りで4千円と安くはないのだが、外を歩けないのでは使えない。
仕方がないから、嫌がる家内を説き伏せて、家の中で使ってもらうことにした。 ぼくほどひどくはないが、家内もぼくに遅れて花粉症になっていたのだ。
さて、これらのマスクは使い捨てといっても、すべて捨てるわけではない。 さらにぼくはIではないのだけど、小さい頃に祖父から「もったいない」と、耳にタコができるほど聞かされたせいか、使えるものは使えということで、一部は再利用している。
再利用先は空気清浄機なのだが、その前に、わが家の空気清浄機事情を述べておきたい。 わが家は、屋根裏部屋も含めて5部屋の他に居間と台所がある。
空気清浄機は台所以外に各部屋一台ずっと、玄関と階段の踊り場に各一台の合計8台が稼働している。 居間に置かれた空気清浄機は、部屋の割には小さすぎるので、近いうちにもう一台増やして2台にする予定だ。

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